All About Ben Whishaw :イギリスの俳優ベン・ウィショーのインタビュー記事の訳、舞台や映画のレビュー、写真等、ベンに関する情報やおしゃべり・・・
by uraracat
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ベン・ウィショーの『ハムレット』 ― 我々の時代の狂えるプリンス

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From The Sunday Times May 2, 2004

Interview: Stuart Wavell meets Ben Whishaw

A crazy prince for our times

On Tuesday evening a violent electrical storm shook the Old Vic just as a star was
born on stage. Ben Whishaw’s sensational Hamlet was hailed by critics the next day as a performance that earned the 23-year-old actor a place among the immortals.

火曜日の夜Old Vic 劇場にまさにスターが誕生し、激烈な電気ショックが走った。ベン・ウィショーのセンセーショナルなハムレットは翌日、名声不朽の俳優たちに並ぶ23歳の若き役者の名演として批評家たちに賞賛された。
 

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記事の賞賛ぶりにのぼせあがってもいいものだが、ウィショーは批評を読まなかったと語る。なぜ?

「なぜなら、もし、よく書かれてあったとしたら、急にそれにしばられてしまうだろうし、悪かったとしたらもっと最悪です。どちらにせよ自意識過剰になるだけです」

でも、ことがうまく進んでいることを知るくらいには・・? それについても小妖精のように笑って

「母が『ぼくが新聞の一面に出ている』と電話してきました。ぼくが知りたくないと言っているのに、話し続けていました」



水曜日の喝采までは、自分でも周りに散々なものになるだろうと話していた。本当に最悪の事態に見舞われたのだろうか?

「ええ、全くです。批評されるという経験があまりありませんでした」

トレヴァー・ナンが表出しようとする若々しい舞台で、ぎこちなく痛々しいほど痩せた特徴を生かして、不安に満ち、病的なほど絶望に打ちひしがれ、とにかく人をつき動かさずにはおかないデンマークの王子を演じた。

ある批評家は、ウィショーが、何を信じていいのか苦悩しながら睡眠薬の瓶と折りたたみナイフをじっと見つめて、“To be or not to be ”と言う語り口の密度の濃さに打ち震えたという。そして 彼が、今までOld Vic 劇場で演じられてきた伝説的な『ハムレット』の一人に加わった、と書いた。これらの名優たちのほとんどは、それまで培った長年の実力で大役に取り組んだはずだが、ウィショーの場合、演劇学校を出てわずか1年だった。

d0160581_6551845.jpg実際、力強いハムレットを演じたジョン・ギールガッドとピーター・オトゥールは、たったの26歳でスターになった。そしてケネス・ブラナーは28歳で注目された。しかしながら、ほとんどのハムレットは中堅の域に達してからのものが多い。ナショナルシアターで開演したアルバート・フィニーの場合は「太って、息も絶え絶えの」39歳のハムレットだった。フォーブス・ロバートソンは44歳、ヘンリー・アーヴィングは37歳、そしてジョン・バリモアは40歳だった。


さらにウィショーは無名の新人でいることには利点がある、と続ける。


「このプロジェクトでぼくが興奮したことの一つは、ハムレット役のために有名俳優を使わないということです。その方針はとても理にかなっています。もし、スターが出るからチケットを買うというのでないとすれば、その芝居を新鮮に見られるはずだからです」

しかし皮肉なもので、初日で彼はスターになってしまい、誰もが彼を観たがったのだ。

ベッドフォードシャーの田舎からいきなり演劇界のエヴェレストに登るようなすさまじい大躍進を遂げたのだ。
途中で下山した役者も何人かいる―有名なところではダニエル・デイ-ルイス。自分の父親の幽霊が舞台の袖に潜んでいると言ってステージを去り、二度と戻らなかった。


この役は凄まじいまでのスタミナを要する。ウィショーは3時間半のマラソンを週5日ぶっ続けで走るのみでなく、そのステージ上でもほとんど出ずっぱりである。

(5月に始まって)「7月末までやるのかあ、って思っていました。最初の頃、トレヴァーが、RSC(ロイヤル・シェイクスピア・カンパニー)でハムレットの演出家 Buzz Goodbody という人が衣装リハーサルの夜、自殺した話をしてくれました。それは、この作品をやるとそういう境地に向かう可能性があるけれども、自分にはそれと別に、自分自身の人生(生活)があるということを忘れてはならない、という警告的な教訓でした」

d0160581_6592369.jpg人生=生活という言葉がむなしく聞こえる。午後2時にベッドを這い出してすぐに劇場に向かう。彼はこの役に決まってからずっとプレッシャーを感じていた―しかもこの稽古期間中、実際にフィリップ・プルマンのシリーズを舞台化した『His Dark Materials 』にも出演していたのである。これもまた3時間のステージで、ウィショーは何役かを兼ね、衣装替え回数も半端ではなかった。

「人生において、いつか必ずこの分を取り戻すつもりです」

と力なく言う。

(とにかく痩せている。私はあとでナン監督に彼はちゃんと食事を摂っているのかときいてみた。「よく食べますよ」と監督。「なのに彼がなぜあんなに痩せているのかと、製作現場の女性はみんな毎日のようにベンにダイエットについて質問しています」)

「とても支えてくれて気にかけてくれました」

ウィショーはナン監督について語る。 だがまた

「同時に、自分の舞台をベストなものにしたかったので、どの役者にもとことんまでやらせました」

セリフをいう時、何か見えないエネルギーがこの役者の腕ややせ細った指を思わず知らずぎくしゃくと動かす。しかし、凝視する目は静かで思慮深い。

ピーター・オトゥールは、もし本当の孤独というものを味わいたかったら「ハムレットを演じるといい」と言いました。ウィショーはステージで孤立感を感じたのだろうか?

「孤独だと言えます。なぜならハムレットは、他のどの芝居のどの役よりも独白の量が多いからです」

と力説する。そして彼はまだ“難題と脅威”への挑戦を続けていると認める。
劇の冒頭、この役に感情移入するためのスイッチを入れる瞬間が特に難しい。

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「それは哀しみと絶望の場所だからです」

と静かに語る。

「行くのがとても難しい場所です」 
「この男は、何事にも我慢のできない男です。それで、あとになって向き合わなければならない別の課題がやってきます ―
父親が殺されて復讐を余儀なくされる。
そのこと自体に参ってしまいます」



こうやって注意深い返事をしたけれど、ウィショーがセイフティ・ネットのない空(くう)を歩いているかのように感じているのは明白だ。

「背後には何もないのだと感じます」


と告白する

「ハムレットがどう感じたかが解る瞬間もあればそうでない時もあります。後ろに倒れても何ら支えとなるものはないのです」


彼は Old Vic 劇場に出るという、演技の品定めをする幽霊に出会ったのだろうか?
彼は否定する。 
d0160581_753536.jpg「今回はみんな若いキャストなので、そういう意味での伝統に縛られることはありません」


ラングフォード(ベッドフォードシャー)の村に育つ。父、ジョジー・ウィショーはかつてStevenage のサッカー選手で、母は化粧品会社に勤めている。両親はもう離婚しているが、二人ともずっと協力的だった。双子の兄弟がいて、今はフランスのスキー・リゾート関係の仕事をしている。ベンとは全く違うタイプだ。


扮装して靴を履いて人前で演じたことが、その後の下地となるいわば儀式であった。
シェフォードのSamuel Whitbread コミュニティカレッジでさらにそれが磨かれた。

彼はそれを 「素晴らしかった」 と思い出す。


小説家ウィリアム・ボイドがはなばなしく監督デビューした『トレンチ 塹壕』で決死の兵士を演じた時、彼はまだ A-レベルのための勉強中だった。

そして『My Brother Tom 』では主役を射止め、虐待を受ける10代の少年を演じて
" most promising newcomer "(最も将来を約束できる新人)賞を受賞した。


a0199551_1421255.jpg「将来したいことが演技だと決めた瞬間を覚えていません」 と言う。

演技を職業として選ぶことをちょっと迷ってアート・コースに通い始めたこともあった。

「あの時はそういう決断をしました。なぜなら何もすることがなかったんです。オーディション一つなく、仕事も全くありませんでした」

そして RADA(王立演劇アカデミー)に入学した。自分で貯めた£3,000(約45万円)を一年分の授業料とした。その年はこの上なく素晴らしい学びがあった。4年間ずっと意義のある日々だった、と語る。


あの頃、CV(履歴書)の趣味の欄に" 猫の繁殖 " と書いていた。なぜかときいてみた。彼は笑う。

「演劇学校の時、友だちと二人で住んでいて、2匹の捨て猫を拾いました ― 
母猫と子猫です。増やそうと思って増やしたわけではないんですが、勝手に
増えました。寝室2部屋のフラットで、多いときで11匹の猫の世話をしていました」



ハムレットのオーディションにはそれほど期待しないで出向いた。キャスティング・ディレクターを知っていて、ナン監督と会えるように計らってもらった。

「ローゼンクランツかギルデンスターン役のためだと思っていたんです。トレヴァー(ナン監督)はもうハムレット役を決めていたと。。。」

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だがそうではなかった。ナンはもう2回ほどオーディションにウィショーを呼んだ。「そしてもう一回呼び出しの電話をしようとしていた時、(キャスティング・ディレクターに?)『今日決めないと彼を逃しちゃいますよ』と言われました。それで決めました。本当にそうしてよかったです。ベンは監督の“夢”です」

ウィショーも喜んだ。その時のことを語る・・・

「遅れてきた喜びでした。もう、びっくりです!すぐには理解できませんでした。ぼくがハムレット役をやるなんて――― 最初のリハーサルの通知がきて、ハムレットの名まえの横に自分の名まえを見るまでは全く信じられませんでした」

エヴェレストに挑んだ後は、どこに登ろうというのか?彼はあいまいに笑いながら・・・

「降りる?」

ナンによると、ハムレットは頂上から麓に向かって叫ぶようなかなりのエネルギー消耗の場となり、俳優は仕事を続けるためには、ある意味、演技より自分を大事にする必要があるという。

「ベンなら何でもできます」ナンは保障する。「エヴェレストの後は、K2 もあるし未踏の山々はいくらでもあります」


実際、ウィショーは今やってる舞台のことしか頭にない。HBO製作のテレビシリーズ
『Rome』のオクタヴィアヌス役で出演契約が済んでいるとのことだが…。

「今はただハムレット、ハムレット、ハムレット。それしか考えられません」

と彼はいう。

その言葉はまるで、葉巻を欲しくてしょうがない男のように響いた。


― 了 ―


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Source: timesonline.co.uk/news








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